本屋さんと、かわいそうなぞうの話

2008/08/25 社長ブログ

 先日の土曜日、自宅の近くに書店がオープンした。
 本好きの私はさっそく歩いてでかけた。場所は以前スーパーマーケットであった所だが、店内はきれいに改装され、比較的ゆったりとしたスペースに書籍や文具が並べられていた。当然ながら各書籍などは新しくて気持ちがいい。
 この時は、「岡山の岩石」と「科学者の9割は『地球温暖化』CO2犯人説はウソだと知っている」という本を買って帰った。内容については、後日紹介させていただきたいと思う。
 その後も、家族を本屋の隣りのスーパーマーケットに連れて行って、買い物をしている間に私だけこの本屋さんに行ったり、子供に誘われたりなどで、土日だけで5回も行き、7冊の本を購入した。
 最後に行った日曜日の夜、なにげなく手にした「二時間目 国語」という本を開くと、以前評論家の秋山ちえ子さんが、ラジオの番組で毎年終戦記念日に朗読していた「かわいそうなぞう」の話が載っていた。

「わいそうなぞう」
 知っている方も多いと思うが、かわいそうなぞうの話を簡単に述べると、
 戦時中上野動物園で、爆弾が落ちて動物たちが檻から逃げて街で暴れたら大変だからということで、毒で殺すことになった。しかし利口な象は毒を入れた餌は食べない。毒を注射しようにも皮が硬くて針が通らない。そこで、餌をやらずに餓死させることになった。餌をもらえない象はげっそりやせこけた。
 いままで自分の子供のようにかわいがってきた象係は、
「ああ、かわいそうに。かわいそうに。」と檻のまえをうろうろするばかり。
 すると、象がひょろひょろと体を起こして、象係の前で餌をもらおうと芸当を始めた。しなびた体じゅうの力をふりしぼって、後足で立ち上がったり、鼻を高く上げてばんざいをしたりして芸当をして見せた。
 ついに我慢できなくなった象係は象に餌をやるが、象はやがて動けなくなる。
 ある日、象は檻にもたれながら鼻を高くのばして万歳の芸当をしたままとうとう死んでしまった。
 「象が死んだあ。象がしんだあ。」
 象係は叫びながら、事務所に飛び込み、机を叩きながら泣きふした。
 みんな象の檻にかけ集まって、象のからだにとりすがり、おいおいと声をあげて泣いた。
 その頭の上を、爆弾をつんだ敵の飛行機が東京の空にせめよせてきた。
 どの人も、象に抱きついたまま、こぶしを振り上げて
「戦争をやめろ。」
「戦争をやめてくれえ。やめてくれえ。」
 と叫んだ。
 という話である。
 動物が好きな私は、立ち読みしながら涙が出そうになった。また、戦争の空しさ、残酷さをあらためて感じた。
 ちなみに、この本も買って帰った。
 この本には、このほかにも心に染みる話がたくさん載っている。