新年を迎えるにあたって

2013/12/31 社長ブログ

 平成25年も暮れようとしている。
 今年は、どのような年だっただろうか。
 DOL(同友会景況調査報告)によると、安倍政権のアベノミクス政策は、円安を生み出して輸出向け産業の大企業の収益状況は好転し、株価は上昇基調に転じた。
 その一方、円安は原材料価格の高騰を招き、商品価格に転嫁することが難しい中小企業の収益を圧迫しているが、DOLによる業況判断DI(「好転」-「悪化」割合)は、建設業と製造業が牽引となって、中小企業も改善されているようだ。
 建設関連業界では、消費税増税に伴う駆け込み需要や公共事業増加の影響もあって、高度成長期やバブル期を彷彿させる景況を感じながら年を越す企業も多いことと思うが、今年4月に予定されている消費税増税後の反動が懸念される。
 政府は、個人消費を促し景気を持続させていくためには、企業の雇用拡大や賃上げが必要だとしている。
 雇用の拡大や社員の所得向上を目指していくことは、地域経済を担う中小企業家の責務だとも言えるが、消費税増税後の景気後退の不安やリーマンショックの経験から、固定費が上がることはできるだけ避けて社員へ利益を還元するには賞与などで、と思っている経営者の方も少なくはないと思う。
 中小企業が継続的に雇用を拡大し、安心して賃金を上げていくためには、安定的で持続する地域経済の発展と共に、外部環境の変化に影響されにくい強靭な体質の企業づくりが必要だ。
 強靭な体質の企業づくりとは、自己資本比率を増やし財務体質を強化していくことや、価格決定権を持った商品開発などは勿論だが、会社が好調な時も困難に陥った時も、全社が一枚岩となって総合力を発揮できる組織づくりがなによりも大切だと思う。
 中小企業家同友会のバイブルである「中小企業における労使関係の見解」という冊子のなかに、「なによりも実際の仕事を遂行する労働者の生活を保障するとともに、高い志気のもとに、労働者の自発性が発揮される状態を企業内に確立する努力が決定的に重要です」とある。
 平成26年も、景気の先行きに不安定感がぬぐえない年になりそうだが、強靭な体質の企業づくりに向かって前進していくには、この「労使関係の見解」の精神を追及していくことが重要だと思う。