圧密試験による沈下量の検討

2010/04/17 社長ブログ

 軟弱地盤上に、木造平屋を建築するための地質調査報告書を、昨日納品させていただいた。

 調査地は、軟弱地盤が深さ10m以上あるため、木造平屋建ての比較的軽量な建物でも、地盤の支持力と圧密による沈下の検討を要する。

 強固な支持地盤まで支持杭を打てば問題ないが、支持地盤までの深度が深いため、平屋の場合、坪当たりの杭工事単価が全体の建築単価に対してかなり割高になるので、費用的に問題となる。

 そこで、建築予定地でボーリングを行い、土を採取して圧密試験や一軸圧縮試験(土の強度を計る試験)を行なった。
 圧密試験結果から沈下量を計算すると、許容沈下量をかなり下回り、べた基礎だけで、強度的にも沈下に対しても問題ないことが分かり、設計者も、圧密試験を提案した私もほっとした。
 圧密試験を行う前に、直接基礎だけでも可能かどうかの推定は、地盤のデータと、経験による感である。

 最近、ほとんどの所で、なんらかの地盤補強工事を実施する傾向があるように思う。
 これは、建築確認申請や保証と関係しているのだと思うが、建築場所や予定建物によっては、べた基礎等の直接基礎だけでも問題ない場合もある。

 軽量な構造物、特にローコスト建築を目指す場合には、地域にもよるが、本当に地盤改良工事や杭工事行う必要があるかどうか検討してみることは必要だと思う。