美術館・焼き鳥屋・ドーナツ店

2010/02/14 社長ブログ

 昨日、貿易商の友人の誘いで、岡山県立美術館で開催されている「華麗なるオーストリア大宮殿展」へ行った。
 展示されいる肖像画や金銀ダイヤの宝飾品は美しく、ハブスブルク帝国の栄華を偲ばせる。
 家具などの調度品も展示され、当時の貴族の生活ぶりを窺い知ることができる。
 美術館を出た後、展示品の美しさと貴族の華麗な生活を知ることができたが、当時の庶民はどんな生活をしていたのだろうかと、友人と話しながら、食事をするところを探して、表町の方へ向かった。

 商店街のひとつ東側の道を南へ歩いていると、焼き鳥屋のおやじさんがのれんを掛けていた。
「開店していますか。」
「これから始めるところです、どうぞ。」
ということで、店へ入った。
 初めて入った通りがかりの店であるが、創業60年ということである。
 焼き鳥と生ビールを注文した。生ビールは、店によって味にばらつきがあるように思うが、ここは生ビールも焼き鳥も旨かった。
 17時10分頃、この店のアルバイトらしい一人の若者が店へ入ってきた。若者は店の服に着替えてカウンターの中へ入った。おやじさんに「どうも」と言ってピョコンと頭を下げるが、おやじさんは無言。たぶんこの若者が遅刻をしてきて、機嫌が悪いのだろう。
 会社なら、お客様の前で、社員に対して不機嫌な態度は良くないが、この店では、それを上回る良さがあるから、60年も続いてこれたのだろうと思う。その良さがこの店の強みであると思うが、おやじさんがそれを理解しているのかどうかは分からない。
 1時間ほど飲み食い雑談した後、二人で5千2百円の代金を割り勘にして、店を出た。

 店をでると、客もまばらな小さな店に、ガードマンが立っていた。ドーナツ屋さんらしい。ガードマンに
「この店の警備をしているのですか。」
「はい、そうです。ドーナツ買ってください。」
「ふだんは行列ができるほど客が来るのですか。」
「そうです。」
行列ができるほど美味いのなら買ってみようと思い、店へ入る。
 店には、ドーナツ2種類しかなかった。丁度奥から出来たてのドーナツが運ばれてきたので、これを8個買った。
 路上でひとつ袋から出して食べてみた。
 美味い。行列ができるのが解る。
 品揃えがドーナツだけでも、行列ができるほど繁盛する店もある。
 不況時には、自社の強みに特化することも有効かも知れないと思った。
 みやげの美味いドーナツを、家族に食べさせるのを楽しみに、友人と宇野バスで帰宅した。