ジオ・ドクター

2010/03/11 社長ブログ

 ジオ・ドクターとは、全国地質調査業協会連合会が、地質調査業の役割を紹介する時に使われている言葉である。
 同協会から発行されている「社会に貢献する地質調査業」の冊子の一部には、
 『日本列島は、ユーラシア大陸の東端に位置し、太平洋プレートの沈み込むサブダクションゾーンに形成された島弧列島という、世界的に極めて特異な地質環境下にあります。
 したがって、地質構造が複雑かつ脆弱であり、また、地震、火山噴火、風水害等により地盤災害が多発します。
 地質調査業は、こういった地盤災害に対して、長年の経験と技術のノウハウを持つ日本列島の主治医『ジオ・ドクター』として、調査(=診察・検査)→解析・判定(=診断)→工事(=治療・手術)→維持管理(=定期検診)という一連の対応を通して、社会に貢献しています。』
とあり、地質調査業は地盤のお医者さんということである。

 お医者さんは、検査の結果どこも悪くなければ手術や薬の投与はしないのは当然だが、もし病気が発見されても、出来るだけ手術はしないようにし、薬の投与も最小限にすると思う。

 この点は我々も同じである。
 当社は処置までできるジオ・ドクターとして、地盤調査の他に地盤改良等も行っているが、建物を支持させるための地盤調査を行った場合、地盤改良工事等をしなくても基礎工法しだいで建物を良好に保つことができると判断できたら、最適な基礎工法を検討して提案し、当然ながら地盤改良工事等は提案しない。
 何らかの処置をしなければ、建物を健全に支持させることができないと判断される場合には、できるだけ経済的で安心な対策工法を提案する。

 これは、地質調査業者として当たり前のことであるが、この為には、地盤調査だけで採算をとっていく必要があるので、それ相当の調査費用が掛かる。
 地盤改良工事等を前提とした地盤調査なら、地盤調査は地盤改良工事の営業のひとつとして、サービス的な価格で行うことも可能だが、地盤改良工事を前提とした地盤調査なんかは勿論できない。
 我々はジオ・ドクター、地盤のお医者さんである。