小野田寛朗氏がルバング島で30年間戦い続けた体験と人生論を綴った「生きる」という本を読んだ。
昭和49年、テレビに映し出された小野田少尉が、谷口少佐から作戦任務解除命令を受けている姿を今も覚えている。
この本を読もうと思ったのは、小銃を30年間も錆びつかせず、戦う軍人のままでいられたのは、どういう心理状態と行動があったのか知りたいと思ったためだ。
そこには、野生と知性のなかで、「生きる」ということの本質が綴られていた。
この本には、小野田元少尉の体験を通して、心に残る言葉が多くでてくるが、以下もそのひとつだ。
どんなに覚悟ができていても、人間は本能的に死を恐れる。ささいなことで動揺してしまう。常に落ち着いて行動するためには、毎日自分の最前を尽くしておく以外にない。それ以上は、自分に才能がなかったと諦めることだ。まさに「人事を尽くして天命を待つ」という言葉通りである。
毎日自分で考えられるだけ考え、努力して行動する。それでも敵に攻撃されて命を失うことがあったら、「これが自分の能力だった」と納得して死ぬことができる。それを怠り、できることをしないで死んだとしたら、「しまった。やっておけば死なずにすんだのに」と、それこそ死んでも死にきれない。
こういう考え方が、私たちの死に対する恐怖の除去法でもあった。
これを読んで、最善を尽くして素直に生きることが大切だと思った。
素直に一所懸命に生きる。これはすべての生き物が実行していることだと思う。
人間はいろいろ考えて行動が伴わず、素直に生きられない場合があるから、自ら命を絶ってしまう者もいるのだろう。
目的・目標の大切さも説いていた。
目的・目標に向かって、最前を尽くしながら素直に生きる。これを大切にしていきたい。
小野田元少尉著「生きる」を読んで
2014/06/12 社長ブログ