地盤に建物を支える力があっても、長期的には建物が沈下してくる現象がみられることがある。
これは、沖積粘性土層の圧密によることが原因である場合が多い。
粘性土は、一般的に土粒子と水とで構成され、水の流れの良さを示す透水性は低い。
従って、粘性土層に盛土や建物の新築などにより、上部から圧力が加わった場合、粘性土に含まれている水は時間をかけて逃げていき、逃げた水の分だけ地盤が収縮される。
これが、圧密沈下といわれる現象で、ピサの斜塔も圧密沈下の影響を受けて傾いているといわれている。
建物の圧密沈下は、建物の形状や粘性土層の厚さ、盛土の状況、その他の影響を受けて、不同沈下となり、建物に悪影響を及ぼすことが多い。
また建物が完成した後、数ヶ月後に症状が確認されることが多いため、施主と施工業者とのトラブルの原因になる場合がある。
建物を建てる場合、地盤の支持力(強さ)の確認と共に、圧密沈下を招きやすい沖積粘性土層の存在を確認することは、地盤を調査するうえで欠かせない重要事項である。
時間をかけて建物が傾く原因のひとつ「圧密沈下」
2009/03/21 社長ブログ