先日、建築会社経営者で一級建築士のMさん、土木設計技術士のGさん、複数のレストランを経営されているYさん、そして私の4人で、岡山市内にある居酒屋にて、晩秋の夜の酒を酌み交わした。
話題は、共通の趣味になりかけている自転車と、昨今の経営に関すること。
MさんとGさんは、建設関連業で共に現在不況の真っ只中にある業種であるが、二人とも多くの受注を抱え、かなり忙しいらしい。
Gさんは、依頼していただける仕事は断らない方針であるが、もうどうにもならず、先日やむを得ず大きな仕事をお断りしたとのこと。
二人の共通点は人柄が良く、その人格が滲み出ていて、どう見ても、人を騙したりするようには見えず、顧客に安心感を与えていると思う。
そして、もうひとつの共通点が、会話の中から明らかになってきた。
それは、基本的にお客様の言われる価格で受注しているということである。
「材料がいくらで、工賃がいくらで、それに経費と利益を上乗せして価格を決定し、『この価格でないと受注できません』なんてことを言っていたら、今では話にならない。お客様が『この価格でやっていただきたい』と申されたら、それでやるように考え、工夫して仕事をし、利益をだすように努力している。」
と、Mさんは言われた。
MさんやGさんの人柄を知っている顧客は、『安い価格で仕事を依頼しても、手を抜いたりすることを絶対しない会社だ』と、信頼して仕事を発注できるから、仕事が集中していると思う。
Mさんが言うように、以前は、材料と工賃に経費と利益を上乗せして価格を決めていた。ようするに自社の都合により価格を決定していたが、今はこれが通用しない時代になっている。
現在は、市場により価格が先に決定し、その価格で必要な品質を確保しながら、収益を確保していかなければならない。
話は変わるが、先日Yさんが経営する洋食店で昼食をとった。コーヒー、スープ、カレーがお代わり自由で、料理の内容も良く、かなり割安感があり、店は繁盛しているようであった。
「今の時代だから、できるだけ安くして、満足していただけるよう努力している。」
というようなことを、Yさんは言われていた。
最近まで、自社の技術や商品を安売りすることに抵抗感があったが、
『お客様の立場に立って、必要なものを必要な品質で、できる限り安く提供することも、現在必要とされている技術力であり、経営力でもある』
というように考え、低価格で提供させていただくことに挑戦していくことも必要なことだと、大不況の中を生き生きと働いている二人の技術者と、レストラン経営者の話を聞いて思った。
お知らせ
低価格への挑戦
経費削減は企業にとって永遠の課題
今日、市内にある金融機関を訪問させていただいた。
その時の雑談で、最近決算があった企業はほとんどと言っていいほど赤字で、今黒字なのはよほど業績のいいところか、粉飾決算を行っているところだろうと言われていた。
やや誇張して話してくださったにしても、地元の中小企業の業績がかなり悪化していることには間違いないと思う。
経費削減にしても、たいていの企業が、これ以上削減の余地がないと思われるほど徹底して経費を削減しているとのこと。
このような話を聞かせていただいて、当社は経費削減にたいしてかなり遅れていると思った。
この非常時とも言える大不況のなか、経営で最優先すべきものは、社員の生活を守ることと、会社を存続させることだ。
そんな思いで、営業部長に
「不況は、会社の無駄を徹底的に省くいいチャンスですね。」
と、ピンチをチャンスに変えたつもりでいったら、
「社長、経費削減は好不況に関係なく、いつも実施していかなくてはいけない永遠の課題ですよ。」
との答えが返ってきた。
どうやら、経費削減に対して遅れているのは、会社ではなく私自信だったようで、大いに反省しているところである。
ただ、経費削減は否定的に取られやすいので、社員主導で実施していった方が望ましいと思う。
上杉鷹山、二宮金次郎、山田方谷等の歴史上の人物をはじめ、現代の著名な企業家たちも、財政や業績の立て直しは経費削減を徹底し、『出る』を制しながら『入る(収入)』を図っている。
積小為大、1億円は1円の積み重ねの精神で、全社で学び、協力しあいながらムダを省き、増収を図っていきたい。
2009年度上半期法人税赤字
今日の朝刊に、法人税収が赤字との記事が掲載されていた。
これによると、2009年度上半期(4月~9月)の法人税は、還付金が税収を上回り、1.3兆円のマイナスになった。
上半期で法人税が還付超過となったのは、比較可能な1960年度以来初めて。
所得税や消費税も前年同期を下回ったということである。
還付金の急増は、急激な景気悪化とその厳しさを示している。
ここまで景気が冷え込んでいたままでは、日本の国が凍りついてしまうような気がする。
今、政府に一番望むのは、早急な景気対策だが、民主党は景気対策を最優先とはしてないようだ。
企業を経営するものとしては、現在の状況が続くものとして、より一層企業体質強化に没頭していかなければならないと思う。
電子マネー
昨日の日本経済新聞『日経プラスワン』に、電子マネーが取り上げられていた。
これによると、電子マネーを使う理由は、『買い物で、小銭を用意する必要がなく、支払いが簡単だから』というのがトップで、70.6%となっている。
私も、同じ理由で電子マネーを利用している。
コンビニやスーパー等で買い物をする時に、小銭を扱わなくてもよく、支払いも速い。
特に、電車を利用する時は、料金を調べて切符を買う必要がないし、バスの時は、小銭に両替する必要もないので、便利で使い勝手が良い。
日経プラスワンの、『カードタイプの電子マネーで利用に困ったことは?』という質問に、『使える店が少ない』という回答が、23.9%あった。
これは私も感じていて、まだ現金を持ち歩かなくてもいいというほど普及していない。
しかし、最近では、マクドナルドも電子マネーが利用できるようになったし、そのうち利用できる店が増えてくると期待している。
技術の進歩で、生活の便利さは確かに向上している。
技術が、便利さを追求した社会づくりに貢献していることは感じるが、失業率が最悪となるなど、技術の発達が国民全体の豊かさに通じていないのは何故だろうか。
やはり、利益追求のための技術と経済になってしまっているせいだろうかと、電子マネーについて考えているうちに思ったが、私の考え過ぎだろうか。
岡山県中小企業家同友会第18回教育講演会
昨日、岡山県中小企業家同友会が主催する教育講演会が開催された。
同友会の教育講演会は毎年実施され、費用はパンフレットの広告料で賄われるため、入場料は無料である。
昨日の講師は、神戸大学名誉教授で、大阪千代田短期大学学長の広木克行氏。
昨日は、岡山駅15時56分着の新幹線で到着される講師を、同友会事務局長と副代表理事と私の3人で岡山駅までお迎えした。
副代表理事の乗用車で、会場のロイヤルホテルへ到着。
この後、夕食をご一緒させていただきながら、いろんな話を聞かせていただいた。役得である。
18時30分から、講演会が開催された。
講演内容は、現在の子供や若者の現状、子育てに関する事などで、非常に内容が深いわりには分かりやすく、居眠りをしている人は見渡す限りではいなかった。
講演会の入場者数は、約800名。
講演会終了の後、別室で参加希望者による懇談会が行われた。
懇談会は、7テーブル、各テーブル約8名で、テーブル毎に講演会の感想や講師への質問がだされた。
質問の回答で、
「褒めて育てとよく言われるが、『褒める』ということには2通りあり、ひとつは、『自分がやって欲しいと思うことをやってくれた時,褒める』、もうひとつは、『その子の良さが煌めいた時、褒める』ということであり、褒めて育てるという意味では、後の方が大切だ。」
ということや、子供の話の聴き方など、ここでも多くのことを勉強させていただいた。
懇談会の後は、10名ほどでホテル内にある和食店で簡単な打上会を行い、23時頃解散した。
ラジオ放送
本日、午後7時から放送された岡山シティFM・レディオモモ のコトバラジオに、当社社員の竹内と出場させていただいた。
放送局のスタジオで話すことは初めてで、講演を行った時とは違う緊張感を感じた。
テーマは、約6千年前の岡山平野付近で、『吉備の穴海』と言われている当時の地形のことが中心であった。
吉備の穴海に関しては、その想像図を当社の調査データ等を基に作成した竹内が解説した。
放送室内では、パーソナリティの杉さんと加藤さんの流暢な話しぶりには、感心した。
プロとはいえ、台本やメモや打ち合わせもなしに、話をよくあれだけ組み立てられるものだと思った。
話すことは、書くことと違って一回きりである。
書くことは、一度書いて気に入らなければ、何回でも気が済むまで書き直すことができる。
特にパソコン上で書いたことは、消すのに消しゴムすらいらない。
しかし、一度口からでた言葉は、二度と消すことはできない。
それだけに、放送に携わる方々は、言葉を大切にしてこられたのだろうな、と思う。
鳩山首相 所信表明演説 「コンクリートから人へ」で思うこと
昨日、鳩山首相の所信表明演説が行われた。
内容的には、共感する所が多い。
NHKのホームページより、印象に残った所を抜粋すると、
子育て支援や社会保障の充実を通じて国民の生活を守る政治を目指す。
徹底的に税金の無駄づかいを洗い出して、行政のしがらみや既得権をなくする。国家公務員の天下りやあっせんも全面的に禁止する。
政治には、弱い立場や少数の人々の視点が尊重されなければならない。
国民の暮らしを犠牲にして、経済合理性を追求する発想は、もはや成り立たない。人間のための経済への転換を提唱する。
など、人を大切にした国民中心の政治を行う姿勢が感じられ、素晴らしい演説だと思う。
ただ、「コンクリートから人へ」とも言われたが、これが腑に落ちない。
コンクリートとは公共工事のことを指すのだと思うが、公共工事は人のためではない、とも受け取れる。
公共工事の発注があるから、現在の数の建設業者が設立されてきたわけで、それを急激に発注を減らしてしまうのは、大企業が下請けを切るのと同じだと思う。
労災事故は、建設業が断然多い。建設業で働く人々は、豊かな国土造りに貢献しようとの志を持って、命がけで働いてきた。
社会の雇用にも、大きな貢献をしてきた。
我々は、その恩恵を受けて、便利で豊かな生活をしている。
それが今、建設業が政治によって斜陽産業の代表的な業種になっていることは、土木建築サービス業に従事しているものとして、非常に寂しく、残念なことである。
吉備高原自動車道 粟井温泉
今日は、3回目のサイクリング。
コースは、吉備路自転車道を通って、岡山ジャンクションから吉備高原都市へ向かっている吉備高原自転車道を走ることにした。
参加者は、Yさん、Mさん、Tさんと私の4名で、とりあえず終点の吉備高原都市を目指す。
朝9時、伊島町に集合し出発。
吉備津神社を過ぎたあたりから、Tさんの自転車の空気がバルブから抜けるというアクシデントがあった。
高松の自転車屋さんに見てもらう。
店主は不在で、奥様が親切に対応してくださった。
自転車のバルブが直り、出発。
コースは自転車修理のために自転車道からはずれており、高松稲荷の大鳥居付近から吉備高原自転車道に乗る。
12時頃、吉備高原都市へ着く予定が、足守を過ぎた頃には11時半になっていた。
今日は、終点までは無理だ、どこまで走ろうかと思っていたところ、粟井温泉の看板が目に留まる。
Tさんが、
「あの、粟井温泉へ行って、温泉に入って、食事にしよう。」
と言った。
全員賛成。
粟井温泉に到着し、温泉に浸かる。気持ちいい。
風呂から上がって、電動マッサージ、その後懐石料理をいただきながらビールを飲む。昼間から最高の贅沢をしている気分だ。
Mさんが、一句詠もうと言いだした。そこで
稲刈りを 終えた畦道 風を切る
「まっ、星2つだな」
とMさん。
楽しいひと時を終え、14時すぎに粟井温泉を出発。
この後は、吉備高原都市へは進路を向けず、足守の名所や高松城跡を見て、17時半頃、伊島町へ到着し、解散した。
走行距離、集合から解散までで 約50km。
ORIC交流会
本日、17時30分より岡山リサーチパーク インキュベーションセンターの中庭で、バーベキューパーティーによる交流会が開催された。
参加の切っ掛けは、中小企業家同友会のK社長と、元教授で、大学で研究されたことを生かすためにベンチャー企業を設立されたT先生に誘っていただいたためだ。
交流会の前に、15時よりセミナーが開催されていたが、この時間は決算の最終打ち合わせを税理士事務所の方と行ったり、調査見積依頼の応対などを行っていた。
所用を済ませ、バーベキュー会場に到着したのは、18時頃である。
ノンアルコールビールを飲みながら、数名の方と名刺交換をさせていただいた。
雑談で、ベンチャー企業社長で名誉教授のY先生は、遺伝子の研究で、人間の寿命や癌になるかどうかまでわかるといったことなど、興味深かく、面白いお話をしてくださった。
これからも、事情が許す限りいろんな場へ参加してみようと思う。
多くの人に会うことにより、世間が広がり、ものを見る目が豊かになるような気がする。
10月21日の日記
8時前に出社、パソコンのスイッチを入れ、トイレ掃除、床をモップで磨き、大小の便器と手洗いを磨く。
トイレが汚れていたら、心が荒むような気がする。
机について、採用を内定している専門学校へ提出する書類を作成し、書類を持って専門学校へ出向く。
専門学校では、大変丁寧に対応していただいた。
「只今授業中ですが、後10分ほどで終わります。内定していただいている学生にお会いになりますか。」
と言っていただいたが、次の予定があったので、「よろしくお伝えください。」とだけ言って、学校を出る。
保険代理店を訪ね、商談、打ち合わせをして帰社。
昼食のあと、社員の日報にコメントを時間が許す限り書き入れた後、ホテルで行われている講演会へ自転車で行く。
講演会は、経済の専門家のお話で、世界経済、日本経済は不況の底を打ち、回復の兆しにあるとのこと。
日本経済が回復基調にあっても、中小企業や自社を取り巻く環境、地元の景気がよくなるまでは油断はできない。いや、良くなっても2番底の可能性があるので、経営に携わっている以上、常に油断は禁物だ。経営は常に真剣勝負だと、今回の不況の影響を受けて、強く感じた。
講演会の後は、懇親会があった。
初めてお会いした方々と名刺交換し、最近の状況や今日の講演のことなどを話題にしながら立食した。
自転車できているので、お酒はほどほどにしておく。
自転車で帰宅途中、スーパーに立ち寄ると、犬が駐輪場に繋がれ、寂しそうな声をあげていた。
買い物を終えて自転車のところへ戻っても、犬はまだ寂しそうな声をあげていた。
近寄ると最初はウーという声をだして警戒していたが、「寂しいのか、そうかよしよし」といって見つめていると、おそるおそる尻尾を振って近寄ってきた。下の方からそっとてをだし、のどや頭を撫でてやると足にしがみついたりして離れなくなった。ずっと撫でてやっていると、飼い主のおばあさんが、手押し車を押して帰ってきた。
「どうもありがとうございます。犬が好きなんですね。」
「はい、犬は好きな方です。」
といった会話の途中も、犬はすぐに飼い主のところへ行こうとはせず、私から離れなかった。
『なんでも愛情を持って接っすると、それに応えてくれるのかなあ』と思いながら、「よかったね。」とおばあさんが犬に話しかけている声を後に、自転車に乗って帰宅した。