4月17日に岡山県中小企業家同友会東備支部設立総会が、瀬戸内市に位置する長船サービスエリアで開催された。
私は、開会の挨拶で次のようなことを述べさせて頂いた。
東備支部設立の担当理事を務めさせて頂きました藤田でございます。
東備支部は、昨年6月20日に吉備高原支部が設立された後、岡山県中小企業家同友会として5番目の支部として設立が計画されました。
中小企業家同友会には、よい経営者になろう、よい会社をつくろう、よい経営環境をつくろう、の3つの目的がありますが、この3つの目的と共に、会員は自社の発展に取り組んでいます。
我々が、企業の発展を目指すのは、決して経営者の私利私欲を満足させる為だけのものではなく、地域の暮らしを守り、雇用を確保し、真に豊かな地域社会づくりに貢献したいとの思いからでもあります。
国民が本当に豊かになるには、国民の約80%が働く中小企業が良くなる必要があると考えています。
「経営者には、いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して経営を維持し発展させる責任がある」
これは、中小企業家同友会全国協議会発行の「人を生かす経営」という冊子に「経営者の責任」として述べられていることであります。
現在、中小企業は厳しい経営環境に晒されていますが、時代の波を乗り越え、経営を維持し発展させていくためには、社員の力をフルに発揮させ、全社の英知を結集して経営にあたることが必要であります。
経営指針を作成し、社員をパートナーとして捉え、全社一丸となって質の高い商品やサービスを提供して業績を上げる企業を増やし、豊かで安定した幸せの見える地域をつくっていきたいとの思いで、今岡山県中小企業家同友会東備支部が設立されようとしています。
東備支部設立総会は、準備会発足時から本日2009年4月17日と決めて、活動して参りましたが、多くの方々のご支援や会員の協力により、本日こうして無事設立総会を迎えることができました。
厚く御礼申し上げまして、東備支部設立総会開会の挨拶とさせていただきます。
お知らせ
岡山県中小企業家同友会東備支部設立総会開会の挨拶
貧困のない世界を創るために
先日、中小企業家同友会の機関誌、「中小企業しんぶん」に、「貧困のない世界を創ろう」と、バングラディシュにグラミン銀行を創設したムハマド・ユヌス氏(2006年ノーベル平和賞受賞)の講演会の記事が掲載され、さらに会員宛のメールでも紹介されていた。。
この講演会は3月17日、東京・椿山荘で開かれたもので、今年7月に中同協設立40周年記念総会を東京で開催することにちなみ、東京同友会がそのプレ例会として開いたものだという。
ユヌス氏は、高利貸しに自由を奪われて、最貧層から抜け出せないバングラディシュの人々の現実に衝撃を受け、貧しい人々のための銀行を創設し、普通の商業銀行なら相手にしない貧しい女性たちに無担保で小口融資し、彼女たちはそのお金で小さな仕事を興し、自信と誇りを持って自立してきたこということだ。
ユヌス氏は、重要なことは「信頼」だといい、返済率は97~98%を誇るという。
さらに、教育や医療、情報等で次々と新たなソーシャル・ビジネスを立ち上げているという。
上記は、中小企業家しんぶんに掲載された内容の一部であるが、心に深く感じるものがあった。
大切なのは、少数の大金持ちを生み出すような経済ではなく、著しく貧困な層をなくする経済だと思う。
「世界中のすべての人が幸せでなければ、自分自身も含めて幸せではない。」
この思想は、岡山県中小企業家同友会の新入社員研修会で、今年91才になられる太田尭東京大学名誉教授が、宮沢賢治の言葉として紹介された。
桜満開春爛漫
今 岡山の桜が満開だ
毎朝、愛犬クロとの散歩で通っている
茶臼山ハウスという休憩小屋付近に植えられた
まだ大きくならない桜の木も満開だ
遠くから見る
並んで一斉に咲いている桜は華麗だけど
近くで見る
一輪の桜も美しい
小さな枝の先までも
華やかに咲いているところがいい
花より焼肉
毎年4月の第1土曜日は、フジタ地質厚生会の主催で、新入社員歓迎会を兼ねて、烏城の東の旭川さくら道で花見を行うのが恒例となっている。
今年は、準備を惑わすような天気予報であったが、食材や生ビール等を用意し、日頃取引をしていただいている業者の皆様にも声をかけていた。
しかし、当日正午までの会議・勉強会が終わって、会議室から社員と窓を見ると外は小雨。
そこで、会社の敷地内に簡易テントを張り、焼肉パーティを行うこととなった。
桜と屋台こそないが、トイレや水道は近いし、熱燗も電子レンジですぐできる。
結構盛り上がり、楽しい焼肉パーティとなった。
まさに花より団子、花より焼肉という感じである。
かっこいい人生
森田健作氏が千葉県知事選挙に当選し、
「これからは中央に堂々とものを申すかっこいい千葉県をつくっていきたい。」
と勝利宣言をした。
森田健作氏は昭和24年生まれで、私と同い年である。
「同い年」と「かっこいい」で思いだす中学時代の同級生の友人がいる。
中学生の時はこの友人とよく遊んだ。少し不良っぽくて、ポピュラー音楽が好きで、あんまり勉強していないようなふりをしていたが、学校の成績はトップクラスであった。
女子にも人気があったし、「こいつかっこいいな」と思っていた。
この友人と十年ほど前に、電話で話をする機会があった。
彼は、今は放送局へ勤めているが、その前は刑事をしていたということであった。
相変わらずかっこいいと思った。
刑事をしていただけでかっこいいとはいえないかも知れないが、その時は、相変わらずかっこいい人生を送っているなと思った。
そして今、森田健作氏の「かっこいい千葉県」で、この同級生の友人を思いだし、かっこいい人生にしたいと思った。
かっこよく生きるとはどんな生き方なのか。
それは年齢や時代と共に変わっているが、今思っているのは、地位や名誉や功績だけではないということだ。
むしろこのようなものを追いかけている生き方は、かっこ悪いと思う。
かっこいい生きざまとは人それぞれだと思うが、思いつくところでは秋山好古、良寛、土光敏夫氏などはかっこいいと思う。
どこがかっこよく感じるかと言えば、無欲で、志、信念を持って行動しているところだ。
自分が、このような生き方ができるとは思わないが、目指す人物像ではある。
ここまで書いてふっと思った。
かっこいい人生かどうかは人が判断することで、志を持って、自分で正しいと思う道を一所懸命歩んでいけばいいのだと。
人生は何をしたかというより、どう生きたかだ。
砂地盤の液状化
前回のブログで、粘性土地盤の圧密沈下に関することを書いた。
砂地盤では、水の通りは良いので建物が完成した時点で沈下は終了しており、沈下量もほとんど問題にならない場合が多い。
砂地盤で問題となるのは、液状化現象である。
砂地盤の液状化で思いだすのは、昭和39年の新潟地震で、私が中学3年生のときだ。
建物自体は壊れていないのに転倒している4階建のアパートが、テレビのニュース番組で映し出されたのを覚えている。
地盤の液状化は、水を多く含む緩い砂層で起こりやすく、粘性土層では起こらない。粘土分を多く含む砂質土層や砂礫層では起きにくい。
では、なぜ地震時に砂地盤の液状化現象が起こるか簡単に述べると、通常砂地盤では地下水位以下であっても、荷重は砂の粒子から粒子へと伝わっている。砂と砂の間の水圧(間隙水圧)は地下水面からの深さに相当する分だけである。
ところが、地震時に地盤が激しく揺すられると、砂の粒子が密に集まろうとするため、間隙水圧は上昇する。揺すられるのが瞬間だと間隙水圧は一時的に上昇してもすぐに通常の水圧に戻るが、地震のように繰り返されると間隙水圧は次第に上昇し、砂の粒子を伝わる荷重が減少して0になった時、砂は浮遊状態になり砂地盤の液状化現象が生じる。
地盤が液状化すると浮力が働き、浄化槽などが浮き上がることがある。重い建物は液状化した地盤へ沈む。建物の下が均等に液状化するわけではないので、建物は傾いて沈み、転倒することもある。
また、液状化した砂層は圧力のかかった液体と同じだから、地上へ噴出することもある。
建物を建てるための地盤の調査において、地盤の支持力、沈下と共に、砂層の液状化に関する検討も重要なチェック事項のひとつである。
時間をかけて建物が傾く原因のひとつ「圧密沈下」
地盤に建物を支える力があっても、長期的には建物が沈下してくる現象がみられることがある。
これは、沖積粘性土層の圧密によることが原因である場合が多い。
粘性土は、一般的に土粒子と水とで構成され、水の流れの良さを示す透水性は低い。
従って、粘性土層に盛土や建物の新築などにより、上部から圧力が加わった場合、粘性土に含まれている水は時間をかけて逃げていき、逃げた水の分だけ地盤が収縮される。
これが、圧密沈下といわれる現象で、ピサの斜塔も圧密沈下の影響を受けて傾いているといわれている。
建物の圧密沈下は、建物の形状や粘性土層の厚さ、盛土の状況、その他の影響を受けて、不同沈下となり、建物に悪影響を及ぼすことが多い。
また建物が完成した後、数ヶ月後に症状が確認されることが多いため、施主と施工業者とのトラブルの原因になる場合がある。
建物を建てる場合、地盤の支持力(強さ)の確認と共に、圧密沈下を招きやすい沖積粘性土層の存在を確認することは、地盤を調査するうえで欠かせない重要事項である。
岡山平野の歴史と一般的な地盤
岡山平野の一般的な地質構成は、下部に砂礫層があり、その上には軟弱な粘性土層が堆積され、表層部は、旧耕作土及び盛土で形成されていることが多い。
砂礫層までの深さは、岡山市中心部で約8m、南へ行くほど深くなる。
この砂礫層は、今から約1万年以上前の氷河期の頃に堆積されたものである。
氷河期には、海水が氷となって陸上に留まる量が多いため、海面は現在より低下していた。
特に、今から約2万年前のウルム氷期には、海面が現在より少なくとも100mは低かったといわれている。
瀬戸内海の深いところでも100m程度と言われているから、現在瀬戸内海が位置する付近も陸地であったと推定される。
氷河期でも、日本では気温が常時氷点下というわけではなく、平均気温は現在より5~10度程度低かったといわれている。降雨はあったため、河川成の砂礫層が形成されている。
氷河期が終わると海面は上昇し、現在の岡山県南の平野部はほとんど海となったが、河川が上流より土砂を運んでしだいに埋め立てられ、平野が形成されていった。
岡山平野南部は、湿地遠浅だった所を干拓整理され現在の地形を呈している。
以前海だったところが自然に埋め立てられてできた層は沖積層といい、軟弱な粘性土で形成されていることが多い。
沖積粘性土層は、建物に悪影響を及ぼすことが多い。
沖積粘性土層がどのように悪影響を及ぼすかということは、また後日述べさせていただくことにする。
社員満足について
下記は、昨日岡山県中小企業家同友会の第22期経営指針成文化セミナー受講生宛として送ったメールである。
いよいよ今週土曜日から第2講が始まり、第22期経営指針成文化セミナーも本格的にスタートです。
第1講で報告させていただいた時、どのようにして社員満足を実行しているかとの質問をいただきました。この時、社員満足のために具体的に社員に何をしてあげているかという福利厚生面で捉えたため、シャワー室を作ったぐらいの答えしかできませんでした。
そこで、社員満足についての考えと取り組みをまとめてみました。
社員満足には福利厚生の充実も大切だと思いますが、継続的な社員満足を追求すると「働きがいのある職場づくり」が最も重要だと思います。
そのためには、会社が次のような場であることを心掛けて日々の経営に臨んでいます。
・暮らしを守ることができる場であること
・人間的にも成長できる場であること
・具体的に社会に貢献できる場であること
上記のことが、中小企業家同友会全国協議会赤石前会長の著書「経営理念」のなかの、「企業は砦」のところで述べられていることは、同書を読まれた方はお分かりだと思います。
これは、弊社の経営理念の実践にも結びついています。
では、具体的に何をしているのかということを言葉で述べるのは難しいのですが、その一部として次のことをあげてみました。
「暮らしを守る」ということは、やはり賃金だと思います。当然ながらキチっと賃金を払い続けることのできる強靱な財務体質の会社を目指しています。
会社の業績は、毎月全社員に発表しています。
「成長」については、毎月の勉強会実施や資格の奨励を行っています。
実務的な例としては、現場の責任者としてデビューすることには成長の喜びを感じているようです。
勉強会では技術的な勉強だけではなく、ビジネスマナー等の勉強も行っています。人間的な勉強としては、ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんのテープを聴いたり、二宮金次郎のビデオを見たりしています。
同友会と同じように、グループに分けディスカッションや発表もしています。
働きがいのある快適な職場づくりには、人間関係が良いことが大切だと思いますが、そのためには人間的に成長していくことが重要だと考えています。
社会貢献についてもいろいろありますが、一例としては、お客様と話しをすることで、貢献してることを感じてもらえればと思います。
お客様の声シートなども収集するようにしています。
自分が地質調査した所に構造物ができているのを見ると、自分が社会の役にたっていることを感じるという社員もいます。
そして、社員満足について何よりも大切なことは、社員を1人の人間として人格を尊重し、一緒に働く仲間として、家族同様に大切にすることだと思います。
社員が何に満足するかということは、人それぞれだと思いますが会社として、また経営者としてできることとして、以上のようなことを心掛けて日々の経営にあたっています。
社員満足は、永遠に追求し続けるテーマかも知れません。
もっと、簡単に書くつもりだったのですが、長くなってしまいました。
上記のことだけでは、社員満足について十分表現できていませんが、経営指針を作成していく上で、少しでも参考になればと思い、第1講の補足事項として述べさせていただきました。
経営指針成文化セミナー、最後まで受講して心から納得いく経営理念と、これに続く経営方針、経営計画を作成され、経営指針を完成していただきたいと思います。
以上であるが、では自社の社員全員が満足して活き活きと働いているかと問われれば、残念ながらそうだとは言い切れない。
上記のメールの内容にも記したが、社員満足は、顧客満足、経営者満足と共に永遠に追求し続けていかなければならないテーマだと思う。
顧客満足は、社員満足がなければなかなか難しいし、社員満足には経営者満足も必要だと思う。
経営者の責任と岡山同友会東備支部設立
現在、中小企業は厳しい経営環境に晒されてるが、経営者にはいかに環境が厳しくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任がある。
経営者は判断力や実行力を高め、企業の全機能をフルに発揮させて、企業の合理化を促進して生産性を高め、企業発展に必要な生産と利益を確保するために、全力を傾注しければならない。
現在ほど経営者の能力を要求される時代はない。
新製品、新技術の開発にとめ、幹部を育て、社員教育を推進するなど、経営者としてやらなければならないことは山ほどあるが、なによりも実際の仕事を遂行する労働者の生活を保障して、高い志気のもとに、労働者の自発性が発揮される状態を企業内に確立することが重要だ。
以上のことは、中小企業家同友会全国協議会発行「人を生かす経営」に「経営者の責任」として述べられていることであるが、今こそこの「経営者の責任」が問われるときだと思って、日々の経営に臨んでいる。
岡山県中小企業家同友会東備支部設立には、「経営者の責任」を実践し、全社一丸となって質の高いサービスを提供して業績を上げる企業を増やし、豊かで安定した幸せの見える地域をつくっていきたいとの思いがある。
また東備支部が、ストレスの多い現代の経営環境で、孤独になりがちな経営者の心の拠り所となり、意見を出し合い、協力しあえるような会にもなればいいと思う。
以上、経営者として、また岡山県中小企業家同友会東備支部設立世話人の一員として思うことである。